プリンターは家庭での印刷やビジネスシーンで活躍する便利な機器ですが、その構造はとても繊細です。内部には複雑な機械部品やインクヘッド、スキャナー機構があり、衝撃や揺れに弱い「精密機器」に分類されます。
引っ越しで荷物をまとめて運ぶ際や、メルカリなどで販売してプリンターを宅配する場面でも、適切に梱包しなければ輸送中に故障してしまうリスクがあります。
本記事では、プリンターの引っ越し・発送・保管に関して、安心・安全に行うための方法を詳しく解説します。
プリンターを発送・引っ越しで運ぶ前に行う準備

プリンターを発送・引っ越しで運ぶ前に行う準備は以下の通りです。
ケーブル・付属品の取り外し
まずはプリンター本体から電源ケーブルやUSBケーブル、SDカード、用紙などをすべて取り外しましょう。付属品が挿さったまま輸送すると、本体や端子が破損する恐れがあります。
インクカートリッジの取り外しや固定
運送会社やプリンターメーカーによって、インクカートリッジを取り外すことを推奨しているかは違います。
まずは、メーカーや運用業者に確認することをおすすめします。メーカーや機種によっては、インクカートリッジを外した後に、専用の保護部材をはめ込む仕様になっている場合もあります。
一見、インクを外して別に梱包したほうが安全に思えますが、実は家庭用プリンターはインクカートリッジをつけたまま配送することを推奨している場合が多いです。その理由は以下の通りです。
- 外すとプリントヘッドからインクが漏れるおそれがある
- インクを外すと内部が空洞になり、破損しやすくなる
- インクが乾燥し、目詰まりの原因になる
- 正しい手順で電源を切れば、漏れる心配は少なくなる
また、トラブルを防ぐためには、「傾け厳禁」「精密機器」「下積み禁止」などの注意書きをしっかり貼っておくことも大切です。
スキャナ部分やトレイの固定
スキャナー一体型プリンターの場合、フタが開いたままになると破損しやすいため、マスキングテープや緩衝材でしっかり固定しておきましょう。用紙トレイや排紙トレイも折りたたんでおくか、動かないようにテープ留めするのがおすすめです。
プリンターの安全な梱包方法

プリンターの梱包方法をご紹介します。
元箱がある場合
メーカー純正の元箱(発泡スチロール付き)は最も安全な梱包方法です。箱の内部構造にぴったり合うように設計されているため、衝撃や振動にも強く、輸送時の安心感が高まります。
元箱がない場合の代替梱包方法
元箱がない場合は、サイズに合った段ボール箱を用意し、以下のように梱包します
- プリンター全体をプチプチ(気泡緩衝材)で2〜3重に巻く
- 段ボールの底に新聞紙や緩衝材を敷く
- プリンターを中央に置き、上下左右の隙間にも新聞紙やクッション材を詰める
- フタを閉じ、テープでしっかり封をする
- 「精密機器」「天地無用」などの注意喚起ラベルを貼る
プリンターを長期間使わない場合の保管方法
プリンターを引っ越し後すぐに使わない場合や、しばらく使用予定がないときは、保管環境にも気をつけましょう。プリンターは精密機器であり、保管方法によっては故障や不具合の原因になることもあります。
湿気・ホコリを避けた場所に保管する
保管場所はなるべく湿気が少なく、温度変化の少ない環境を選びましょう。湿気は内部の金属部品や基板の腐食につながる可能性があります。また、ホコリが内部に入り込むと、印刷トラブルや故障の原因になります。
- 押し入れや倉庫などに保管する場合は、除湿剤を一緒に入れるのがおすすめ
- ホコリよけにビニール袋や布カバーをかけると安心(※通気性も確保できる素材だとベター)
なるべく元箱で保管するのが理想
元箱がある場合は、プリンターを購入時と同様に梱包して保管するのが最も安全です。箱のサイズがぴったり合っているため、衝撃から守るだけでなく、ホコリの侵入も防ぎやすくなります。
- 元箱がない場合は、プリンターをプチプチなどでくるみ、ぴったりサイズの段ボール箱に入れて保管しましょう
- インクカートリッジを装着したまま保管する場合は、乾燥を防ぐためにプリンターの電源をオフにし、ヘッドの退避処理をした状態で保管してください
長期保管後は動作確認を忘れずに
- 長く保管した後は、使用前にプリンターを清掃し、テスト印刷を行って問題がないか確認しましょう。インクの目詰まりが起きている場合は、ノズルクリーニングなどで対処してください。
参考記事>【保存版】プリンターのインクの目詰まりの解消方法を徹底解説
引っ越しや配送時にプリンターを安全に送る方法 よくある質問(FAQ)

Q:スキャナー付きの複合機も同じ方法でいい?
A:はい。ただし、スキャナーのフタやガラス面が破損しやすいため、特にしっかり固定・保護しましょう。
Q:メルカリなどで発送したいのですが、どんな梱包がベスト?
A:元箱がベストですが、なければ厚手の段ボールとたっぷりの緩衝材で対応を。匿名配送を選ぶと相手にも安心です。
Q:配送で壊れてしまったらどうすればいい?補償はある?
A:引っ越し業者の保証や、発送前に「精密機器」であることを伝え、「こわれもの指定」や「補償付きの配送方法(宅急便コンパクト・ゆうパックなど)」を選んでいれば、破損時の補償対象になることがあります。伝票控えは必ず保管しておきましょう。。
引っ越しや配送時にプリンターを安全に送る方法 まとめ
引っ越しや配送でプリンターを送るときは、ただ段ボールに入れるだけでは不十分です。準備から梱包、配送の選び方まで丁寧に対応することで、精密なプリンターを安心・安全に届けることができます。
故障のリスクを下げるだけでなく、到着後すぐに快適に使い続けるためにも、この記事で紹介した方法をぜひ参考にしてくださいね。