プリンターのインクやトナーは身体に悪い?発がん性がある? - インクのチップス本店

先日、お客様からこんなお問い合わせをいただきました。

「レーザープリンターのトナーカートリッジを交換するとき、少し粉がこぼれた。少し吸い込んだかもしれない。この黒い粉は発がん性があると思うので、健康が心配です」

確かに、トナーの黒い粉を見ると「身体に悪いのでは?」と心配になりますよね。そこで今回は、トナーパウダーについて解説いたします!

プリンターのインクやトナーに発がん性はあるの?

プリンターのインクやトナーに発がん性はあるの?レーザープリンターのトナーパウダーには「カーボンブラック」という黒色の顔料が使われています。カーボンブラックは炭を原料とした物質で、国際がん研究機関(IARC)の分類では「発がん性の可能性がある(グループ2B)」とされています。

これは「人に対する発がん性が不十分な証拠しかないが、動物実験では一定の影響が見られた」というレベルであり、「確実に発がん性がある」と断定されているわけではありません。

ちなみに、このグループ2Bにはカーボンブラックの他にも「鉛」や「ナフタレン」などの化学物質のほか、意外にも「漬物」「睡眠薬」「抗がん剤の一部」なども含まれています。
つまり「すぐに危険」というレベルではなく、「研究が進めばリスクが認められる可能性がある」という段階です。

トナーパウダーに含まれるカーボンブラックの割合

トナーパウダーに含まれるカーボンブラックの割合

真っ黒な粉を見ると「ほとんどがカーボンでは?」と思いがちですが、実際にはカーボンブラックは全体の5%前後。多くの成分は「樹脂(プラスチック成分)」でできています。
SDS(安全データシート)によると、トナーの主成分は約80〜90%が樹脂であり、カーボンブラックはその一部に過ぎません。
つまり、普段の印刷で飛散するレベルでは健康に大きな影響を与える可能性は非常に低いと考えられます。

インクやトナーパウダーを吸い込んだ・触ってしまった場合の対処

インクやトナーパウダーを吸い込んだ・触ってしまった場合の対処

とはいえ、万が一インクやトナーに触れたり、粉を吸い込んでしまった場合には正しい対応が必要です。

  • 吸い込んだ場合:うがいをして、新鮮な空気の場所へ移動しましょう。
  • 目に入った場合:大量の水で洗い流し、異常がある場合は医師の診察を受けてください。
  • 口に入った場合:大量の水でうがいを行ってください。
  • 皮膚についた場合:石鹸と水でしっかり洗えば落ちます。

メーカーの資料でも、通常使用時には人体に有害な影響はほとんどないとされていますが、異常がある場合は必ず医師に相談してください。

トナーパウダーが服についたときの落とし方

インクやトナーパウダーを吸い込んだ・触ってしまった場合の対処

トナーパウダーが服についてしまった、というトラブルは少なくありません。慌ててこすってしまうと、繊維の置くに入り込み、かえって落ちにくくなってしまうため注意が必要です。

トナーパウダーが服についた時の正しい対処法

  1. 軽くはたいて粉を落とす(こすらない)
  2. 濡らした布でトントンと叩くように拭き取る
  3. 洗濯洗剤や台所用洗剤で洗濯する
  4. 油汚れと同じ扱いで洗うと落ちやすい

トナーパウダーが服についた時にやってはいけないこと

  • 掃除機で吸い取る(粉が舞い散り逆効果)
  • ゴシゴシこする(繊維に入り込む)

トナーパウダーは「染み込むインク」ではなく「プラスチックの微粒子」なので、正しく処理すればきれいに落とせます。

よくある質問(FAQ)

Q1. インクやトナーには発がん性がありますか?

A. プリンターのインクやトナーパウダーは、通常の使用環境では発がん性のリスクは低く、過度に心配する必要はありません。

Q2. トナー粉が服についたときはどうすればいいですか?

A. まず軽くはたいて粉を落とし、濡れ布で叩くように拭き取りましょう。その後、洗剤で洗えば落ちます。掃除機で吸ったりゴシゴシこするのは逆効果です。

Q3. トナーパウダーを吸い込んでしまいました。大丈夫でしょうか?

A. うがいをして新鮮な空気の場所へ移動してください。異常がある場合は医師の診察を受けるのが安心です。

プリンターのインクやトナーは身体に悪い?まとめ

プリンターのインクやトナーパウダーは、通常の使用環境では発がん性のリスクは低く、過度に心配する必要はありません。ただし、誤って吸い込んだり服に付いてしまった場合には、落ち着いて正しい方法で対処することが大切です。

お役立ち情報トナープリンター
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