インクジェットプリンターを長く使っていると、「文字がかすれる」「直線がずれる」「なんとなく文字がぼやける」といった症状が出ることがあります。その原因のひとつが、プリントヘッドのわずかなずれです。
このずれを修正するのが「ヘッド位置調整」と呼ばれる作業です。
この記事ではヘッドの位置調整の方法についての方法や実際にやってみた結果をご紹介します。
ヘッド位置調整とは?

ヘッド位置調整とは、インクジェットプリンターの「プリントヘッド」の印字位置を正確に補正するためのメンテナンス機能です。
プリントヘッドはインクの吹き出し口を左右に動かしながら用紙にインクをのせていきますが、使用や移動の衝撃でわずかに位置がずれることがあります。
このずれを放置すると、直線や文字がガタついて印刷が不鮮明になり、「印刷が薄い」「線が曲がって見える」といったトラブルにつながります。定期的なヘッド位置調整によって、文字や線をくっきりと美しく印刷できるようになります。
ヘッド位置がずれる原因
日常的な印刷やインク交換を繰り返しているうちに、プリントヘッドは少しずつずれていきます。
特に、お引越しなど、プリンターを持ち上げて移動したような場合は、ずれやすくなります。

一部、直線がずれて印刷されているのがわかりますでしょうか。
これがヘッドがずれている状態です。このようなずれがある場合は、「ヘッドの位置焼成」を行いましょう。
実際に「ヘッドの位置調整」をやってみましょう
では、このずれをなおしていきます。
この「ヘッドの位置調整」は、プリンタのメンテナンス機能として備わっているものなので、詳細はお手持ちの取扱説明書をご確認ください。
私のMG6530の場合、メンテナンスの機能から「ヘッド位置調整-手動」を選択すると、このような紙が印刷されてきます。

この作業を3回ほど繰り返して、調整完了です。
紙が印刷されるのに少々時間がかかりますが、全部で15分ほどと、さほど長くない時間で完了します。
では、調整の前後を比較してみましょう。
直線がずれないのは当たり前なので、小さい文字で。左が調整前、右が調整後です。

定規の目盛りからもお分かりいただけると思いますが、だいたい文庫本のルビくらいの小さい文字です。
このくらい小さい文字でないと分かりにくいのですが、調整前のずれた状態の文字は、少し輪郭がガタガタしていて、調整後の文字に比べて読みにくいことがわかります。
よくある質問(FAQ)
Q1. ヘッド位置調整とは何ですか?
A. ヘッド位置調整とは、プリントヘッドの印字位置を正しく補正するためのプリンターのメンテナンス機能です。ヘッドがずれていると文字や直線がぼやけたり曲がって見えるため、定期的に実施することで印刷品質を保てます。
Q2. ヘッド位置調整はどのくらいの頻度で行えばよいですか?
A. 明確な回数の目安はありませんが、印刷した文字がかすれたり線が曲がると感じたとき、またプリンターを移動した後には実施するのがおすすめです。半年~1年に一度、定期的に行うと安心です。
Q3. ヘッドクリーニングとヘッド位置調整はどう違いますか?
A. ヘッドクリーニングはインクの目詰まりを解消するための機能、ヘッド位置調整は印字位置のズレを補正するための機能です。症状によって使い分けることが大切です。
Q4. ヘッド位置調整をしても印刷が改善しない場合は?
A. 何度か繰り返しても改善しない場合は、プリントヘッドの劣化や故障の可能性があります。その場合は修理や買い替え、またはメーカーサポートへの相談を検討しましょう。
Q5. ヘッド位置調整をするのにインクは消費されますか?
A. はい、パターン印刷を行うためインクは少量消費されます。ただし、ヘッドクリーニングほど大量には使わないので、安心して定期的に実行できます。
「ヘッド位置調整」について まとめ
ヘッドの位置がずれたまま印刷をしていると、直線がずれるだけでなく、こういった普通の文字も何となく輪郭がぼやけてしまい、読みにくい書類になります。「文字印刷が薄くなった」と感じる場合もあるようです。
定期的にヘッドの位置調整をしておくと、書類はパリっと仕上がりますし、文字も読みやすくなります。
「ヘッドクリーニング」だけでなく、「ヘッドの位置調整」、こちらも気が付いたときにやってみてください!
ヘッドクリーリングについて知りたい方はこちら>プリンターのヘッドクリーニングとは?効果・方法を解説
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