リラックスや癒しを求めてアロマキャンドルを利用する方も多いと思いますが、意外とアロマキャンドルの正しい使い方を知らない方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、火の付け方から途中で止める方法、正しい消し方までご紹介します。
キャンドルの正しい火のつけ方

キャンドルの火つけは、ただライターを近づければいいというものではありません。いくつかポイントがありますので、ご紹介します。
キャンドルを使う場所
キャンドルは、まわりに燃え移るものが無く、平らな場所で使用します。
窓の近くやエアコンなど、風が当たる場所では使用しないことをおすすめします。理由としては、風に煽られると黒煙や煤(すす)を出す原因となったり、芯が傾ききれいに燃焼しないためです。
芯の長さをチェックする(5mm〜1cmが目安)
芯の長さは、安全性と炎の状態を左右します。
- 芯が長すぎる場合:炎が大きい・ガラス容器が高熱に・煙が出る
- 芯が短すぎる場合:火がつきにくい・途中で消えやすい
理想的な長さは5mm〜1cm程度です。
黒く炭化した部分があれば、指先でつまんで軽く折り取っておきます。 木芯(ウッドウィック系)の場合は、黒い部分を必ず除去することで着火しやすくなります。
ライターは“上から”ではなく“横から”当てる
キャンドルの芯は、横から炎を当てたほうが燃えやすく、スムーズに火がつきます。 特に木芯の場合は、芯の面積が大きいので横から数秒〜10秒ほどじっくり温めると良いです。
キャンドルを長く使うために、推奨される燃焼時間を守ろう
キャンドルのロウは、使用時にどれだけ溶かせたかでキャンドルの寿命の長さが変わってきます。1度溶けた直径までしかその後もとけなくなってしまうことが多いので、初回燃焼が短すぎると、中心だけ溶けて深くなり端のロウが溶けない「トンネル化」が発生します。
ロウが容器の端まで広がって溶けると、次回以降も均一に燃えて長持ちしますので、下記の燃焼時間を参考に使用することをおすすめします。
推奨される燃焼時間
- 小さめのキャンドル:30分〜1時間
- 中サイズ:1〜2時間
- 大きめの3芯キャンドル:2〜3時間
キャンドルの正しい消し方

キャンドルの消し方にはいくつか方法がありますが、安全に炎を消しつつ香りの質を損なわないためには、専用の道具を使った方法が1番おすすめです。
スナッファーで消す
スナッファー金属の小さな帽子のような形をしており、炎の上からそっとかぶせるだけで酸素が遮断され、すぐに火を消すことができるアイテムです。
キャンドルを初めて使用する人でも簡単、かつ安全に火を消すことができます。 また、ロウが跳ねる心配が少なく、煙やススの発生も最小限に抑えられるため、アロマキャンドルの香りをできるだけ純粋に楽しみたい人にもおすすめです。
ウィックディッパーを使う
もうひとつの代表的な方法が、ウィックディッパーを使ったロウに芯を倒して火を消す方法です。 ウィックディッパー、または竹串やスプーンの柄のような細い道具で芯を溶けたロウの中に軽く倒すと、炎がロウに触れることでスッと自然に消えます。
この方法は煙がほとんど出ず、消したあとの嫌な臭いも残りにくいことや、芯をロウに浸すことで次回の着火がしやすくなるというメリットもあります。
注意点としては、溶けた蝋(ロウ)に浸した後にちゃんと垂直に立てること。立てないとロウが固まり芯が埋まってしまうため、注意が必要です。
蓋付きのキャンドルの場合
パチパチと焚き火の様な音も楽しめるWoodwickなどの蓋が付いているキャンドルの場合、火が付いた状態でフタを閉めて酸素を遮断することで火を消すことが可能です。
やってはいけないキャンドルの消し方
やってはいけないキャンドルの消し方は、「吹き消す」ことです。煙が発生し、灰や芯のカスが溶けたロウに落ちてしまうなど、香りや燃焼状態に悪影響を与える可能性があります。
また、風圧でロウが飛び散る可能性があるほか、芯が不完全燃焼を起こし、次回火をつける際に着火しづらくなることもあります。アロマキャンドルの香りをしっかり保ちたい場合、吹き消しは避けるべき方法です。
さらに、火を消した直後にキャンドルを動かすことも避けるべきです。消した直後のロウはまだ液体状で非常に熱く、わずかな揺れでも容器の中で波打ち、縁を越えてこぼれ落ちることがあります。
テーブルや棚を汚すだけでなく、皮膚にかかれば火傷を負う危険もあるため、火を消した後はそのまま動かさず、内部のロウが固まってから移動させるようにしましょう。
キャンドルの火を消した後のメンテナンス方法
キャンドルを長く美しく楽しむためには、消火後のメンテナンスも欠かせません。
芯の長さを5mm〜1cmほどの長さにカットする
まず重要なのは、芯の長さを整えることです。芯が長すぎると炎が大きくなり煙が出やすく、短すぎると着火しにくくなるため、消したあと芯が冷めたタイミングで5mm〜1cmほどの長さにカットしておくと、次回の燃焼が非常に安定します。また、燃焼中に黒く炭化した部分がある場合は、それを指で軽く折り取ることでススの発生を抑えることができます。
ロウの表面をきれいな状態に保つ
次に、ロウの表面をきれいな状態に保つことも重要です。燃焼中に落ちた灰や芯のカスがロウに沈むと、次回の燃焼で黒煙が出たり香りが変質したりする原因になります。ロウが完全に固まってから、ピンセットなどで表面の不純物を取り除くようにしましょう。
使用しないときは蓋を閉める
使用しないときは必ずフタを閉めて保管します。フタをすることでホコリの侵入を防げるだけでなく、香りの揮発を抑える効果もあります。香り系のキャンドルは空気に触れる時間が長いほど香りが飛びやすくなるため、フタを閉めて保管しましょう。
途中で火を止めたい場合(短時間で消したい時)はどうしたら良い?
「今日は短時間だけ灯したい」、「思った以上に香りが強くて途中で止めたい」、「急に外出しなきゃいけない!」など、途中で火を止めたい場面もあると思います。そういった場合は、短い時間で火を消した後はロウ面が平らでなくなるため、次回は必ず1時間以上(大きいキャンドルは2〜3時間)燃やしてリセットするとトンネル化を防ぎ、キャンドルが長持ちします。
もし「短時間だけ使うことが多い」「そもそも火を扱うのが不安」という場合には、キャンドルウォーマーを使う方法もおすすめです。キャンドルウォーマーは火を使わずに、電球やヒーターの熱でロウを溶かして香りを広げるアイテムです。
最近のキャンドルウォーマーにはタイマー機能がついたものもあり、「30分だけ香りを楽しみたい」「寝る前に自動でオフにしたい」という方にもおすすめです。火を使わずに香りが広がるため、キャンドル本体が均一に溶けてトンネル化を防ぐ効果もありますし、ススが出ないので容器が黒く汚れないというメリットもあります。
よくある質問
Q. キャンドルの火がすぐ消えてしまうのはなぜ?
芯が短すぎる場合や、黒く炭化した部分が残っている場合に火が安定せず消えてしまうことがあります。また、風が当たる場所で使用していると炎が揺れすぎて燃焼が乱れ、火が消える原因にもなります。芯を5mm〜1cmほどに整え、風のない平らな場所で使用しましょう。
Q. 短い時間だけ灯したい場合はどうすればいい?
短時間だけ灯したい時は、消火後にロウ面が平らにならないため、次回は必ず長めに燃やしてリセットする必要があります。目安として1時間以上、キャンドルの大きさによっては2〜3時間燃やし、ロウを容器の端まで均一に溶かすことでトンネル化を防げます。
Q. 吹き消すとダメなのはなぜ?
吹き消すと大量の煙やススが発生し、灰がロウに落ちて香りが濁る原因になります。また、風の勢いでロウが飛び散る危険もあるため安全性にも問題があります。アロマキャンドルの香りを長持ちさせたい場合は、スナッファーやウィックディッパーを使った消火が最適です。
Q. キャンドルの芯はどれくらいの頻度でカットするべき?
毎回使用後に、芯が冷めて固まったタイミングで5mm〜1cm程度の長さに整えるのが理想です。黒い炭化部分は煙やススの原因になるため必ず取り除きましょう。芯を整えることで、次回の燃焼がより安定し、香りも綺麗に広がります。
Q. 香りが弱くなった気がするのですが原因は?
長期間フタを開けっぱなしにしていると香り成分が揮発して香りが弱くなることがあります。また、不純物がロウに混ざると香りの質が変化してしまう場合もあります。使用しない時は必ずフタを閉め、ホコリやゴミを取り除いてロウの状態を清潔に保つことが大切です。
まとめ
キャンドルは見た目以上に繊細なアイテムで、火のつけ方や消し方、そして消火後のメンテナンスによって香りの質や燃焼の美しさ、寿命などが変わります。
正しい方法で火を灯すことで炎は安定し、ロウは均一に溶け、香りも心地よく広がります。また、途中で火を止めたい時や短時間しか使えない時でも、その後の燃やし方を工夫することでキャンドルを長く綺麗に使うことができます。
日常のリラックスタイムがさらに豊かになるよう、ぜひ今日から正しいキャンドルの扱い方を取り入れてみてくださいね!

