印刷速度は、プリンター選びで見落としがちな重要ポイントです。購入してから「思ったより遅い…」と感じる人も多いのではないでしょうか。
家庭での書類印刷はもちろん、ビジネスシーンではスピードが作業効率を大きく左右します。この記事では、印刷速度の基準や測定方法、印刷速度が速いプリンターの選び方、印刷を早くするコツを解説します!
プリンターの印刷速度とは?

印刷速度とは、プリンターが1分間に印刷できるページ数を表す指標のことです。一般的には「ppm(page per minute)」や「ipm(image per minute)」という単位で示されます。
ppmとは?
「ppm(page per minute)」は、1分間に何ページ印刷できるかを示す値です。 ただし、メーカーごとに測定条件が異なり、実際の使用環境とは差が出やすいという欠点があります。
ipmとは?
「ipm(image per minute)」は、国際標準規格(ISO/IEC 24734)で定められた印刷速度の測定方法です。実際の文書データ(文字・画像を含む)を使って計測するため、より現実的な速度を反映しています。
印刷速度の速いプリンターを選ぶポイント

印刷速度は、プリンターのタイプや印刷方式によって大きく異なります。購入前に「どんな印刷をするか(文書中心か写真中心か)」を考えることが大切です。
レーザープリンターとインクジェットプリンターの違い
レーザープリンターは、トナー(粉状のインク)をレーザーで転写して用紙に熱で定着させる方式です。 1ページごとの印刷が非常に速く、数十枚を一気に出力してもスピードが落ちにくいのが特徴。
そのため、オフィスやビジネス用途に最適です。一方、インクジェットプリンターは、インクを微細なノズルから噴射して紙に直接印刷します。写真やイラストなどの色表現に強く、家庭用やクリエイティブ用途に向いているものの、レーザーよりは印刷速度がやや遅めです。
| タイプ | 特徴 | 速度の目安 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| レーザー | トナーを熱で定着。連続印刷が得意 | 高速(20〜40ppm以上、ipmも高め) | オフィス文書・大量印刷・モノクロ中心 |
| インクジェット | インクを噴射。写真やカラーに強い | 中速(10〜20ipm程度) | 写真、年賀状、家庭用のカラープリント |
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用途別に見るおすすめ速度の目安
印刷速度を選ぶときは、使用目的を意識することが大切です。
- 家庭用プリンター(文書中心):10ipm以上あれば快適
- ビジネス用プリンター(書類・帳票中心):20ipm以上がおすすめ
- 写真印刷中心:速度よりも画質・色の再現性を重視
また、印刷の種類によっても体感速度が変わります。文書だけなら高速でも、写真やカラー印刷は乾燥時間が必要なため、同じプリンターでも印刷にかかる時間が長くなる傾向があります。
印刷が遅いときの対処法

もし「最近プリンターが遅い…」と感じたら、設定や通信、メンテナンスを見直すことで改善できる場合があります。 ここでは主な原因と対策を紹介します。
印刷設定を見直す
意外と多いのが、印刷設定が「高画質モード」になっているケース。高画質印刷はインクを細かく制御するため、処理時間が長くなり印刷速度が低下します。 日常の文書印刷であれば、「標準」または「ドラフト」モードに変更するだけで速度が大きく改善します。
また、両面印刷は便利ですが、紙送りの工程が増えるため1枚あたりの時間が延びます。スピードを優先したい場合は片面印刷に切り替えましょう。
通信環境を改善する
Wi-Fi接続は便利ですが、通信の混雑や電波干渉によってデータ送信が遅れることがあります。 特に画像の多いデータは処理に時間がかかるため、USBケーブルで直接接続するとスピードアップする可能性があります。
また、家庭やオフィス内で複数のデバイスが同時に印刷を送信している場合、ネットワーク負荷によって全体的に印刷が遅くなることもあります。
プリンターのメンテナンスを行う
長期間メンテナンスをしていないと、ノズル詰まりや内部の汚れが原因で印刷処理が遅くなることがあります。 特にインクジェット機は定期的な「ノズルチェック」「ヘッドクリーニング」を行いましょう。
また、プリンターのファームウェア更新も効果的です。 メーカーが配信している最新バージョンに更新することで、動作の最適化やエラー解消につながります。
関連記事>プリンターのヘッドクリーニングとは?効果・方法を解説
よくある質問(FAQ)
Q1:ppmとipmの違いは?
A:ppmは理論上の速度、ipmは実際の文書を使った実測値です。メーカー間で比較する際はipmを見るのがおすすめです。
Q2:印刷速度を上げるには?
A:「標準画質」に設定変更、両面印刷をオフ、USB接続を使用、ファームウェア更新などで改善します。
Q3:どのくらいのipmなら速い?
A:家庭用なら10ipm以上、オフィスやビジネス用途なら20ipm以上が目安です。
まとめ
プリンターの印刷速度を正しく理解するには、「ppm」よりも「ipm」に注目することが重要です。
- ppm:メーカーが独自に決めた条件による算出値
- ipm:国際標準化機構(ISO)が定めた条件に基づき計測された枚数(実測値)
印刷速度を重視するなら、10ipm以上を目安に選びましょう。 また、印刷環境を整えることで、今使っているプリンターの速度を改善できるケースも多いです。
用途に合ったプリンターを選んで、快適な印刷環境を整えましょう。







