レーザープリンターを使っていると、ある日突然「廃トナーボックスを交換してください」という表示が出ることがあります。
しかし、「廃トナーボックスってそもそも何?」「どこに入ってるの?」「交換しないとどうなるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実は、廃トナーボックスはプリンターの印刷品質を保ち、故障を防ぐためにとても重要な部品です。 この記事では、廃トナーボックスの役割や交換の必要性、長持ちさせるコツや正しい処分方法までを、分かりやすく解説します。
廃トナーボックスとは?

廃トナーボックスとは、印刷の過程で発生する使い終わったトナー粉を回収するための容器のことです。 レーザープリンターは、感光体ドラムや転写ベルトを使ってトナー粉を紙に定着させる仕組みですが、すべてのトナーが紙に付着するわけではありません。印刷の際にどうしても余ってしまう微量のトナーが発生します。
この余分なトナーをそのまま放置すると、内部に粉が溜まって故障の原因になります。 それを防ぐために、プリンター内部の「廃トナーボックス」が余分な粉を回収してくれているのです。
つまり、廃トナーボックスはプリンターにとっての「掃除機のダストボックス」や「ゴミ箱」のような存在。 見えないところで印刷品質を支えている、とても重要な役割を担っています。
廃トナーボックスが必要な理由
インクジェットプリンターは液体インクを使うため、廃トナーが発生しません。 しかし、レーザープリンターは粉状のトナーを静電気で転写する仕組みのため、印刷ごとに「使い残しの粉」が必ず生じます。
廃トナーボックスがない状態で印刷を続けると、次のようなトラブルが発生します。
- プリンター内部がトナー粉で汚れて印刷ムラが出る
- 紙に黒いスジや点がつく
- センサーが誤検知してエラーを起こす
- 内部清掃が必要になり、修理費が高額になる
こうしたトラブルを防ぎ、安定して綺麗に印刷するために、廃トナーボックスは欠かせません。 特にオフィスなどで大量印刷を行う場合は、廃トナーの発生量も多くなるため、ボックスの管理がより重要になります。
廃トナーボックスの場所と見つけ方

「そもそも、廃トナーボックスってどこにあるの?」という声もよく聞きます。 多くのプリンターでは、本体前面または側面のカバーを開けた内部に設置されています。
トナーカートリッジと並んで配置されていることが多く、プラスチック製の透明または白いケースで、手で簡単に引き抜ける構造になっています。
廃トナーボックスは見た目がシンプルなので、最初はトナーカートリッジと見間違えることもあります。 不安な場合は、プリンターの取扱説明書やメーカーサイトの図解を確認しましょう。 メーカーによっては、カバーを開けた位置に「Waste Toner Box」と表記されていることもあります。
廃トナーボックスの交換時期
廃トナーボックスは、使用しているうちに徐々にトナー粉が溜まっていきます。 交換時期はプリンターが自動的に検知して、次のようなメッセージを表示します。
- 「廃トナーボックスがいっぱいです」
- 「廃トナーボックスを交換してください」
- 「Waste Toner Box Full」
この表示が出た場合は、印刷が停止する前に早めに交換するのがベストです。
機種によって違いはありますが、一般的にはトナーカートリッジ2~4回分の印刷で満杯になることが多いです。 印刷頻度が高いオフィス環境では、数か月ごとに交換するのが目安となります。
廃トナーボックスを交換しないとどうなる?
「少しくらいなら大丈夫そう」と思って放置してしまうと、思わぬトラブルを招くことがあります。
廃トナーボックスを交換しないまま印刷を続けると、内部にトナーがあふれ出して機械内部を汚染し、感光体ドラムや定着器などの重要パーツに悪影響を与えます。
結果として、下記の様な不具合が起こり、修理が必要になることもあります。
- 印刷面に黒い汚れや線が出る
- 異音が発生する
- プリンターが動かなくなる
特に修理費が高額になりやすい部品を汚してしまうと、廃トナーボックスの数倍のコストがかかることもあります。 そのため、エラー表示が出たらできるだけ早めに交換しましょう。
廃トナーボックスの交換方法

メーカーや機種によって手順は異なりますが、一般的な交換の流れは次の通りです。メーカーの説明書等を見て確認しましょう。
- プリンターの電源を切る
安全のため、必ず電源をOFFにしてから作業を始めましょう。 - カバーを開けて廃トナーボックスを取り外す
強く引っ張るとトナーがこぼれるので、水平にゆっくり抜き取ります。 - 廃トナーボックスの口を塞ぐ
新品の箱に付属しているキャップやテープで封をすると安全です。 - 新しい廃トナーボックスを装着する
奥までしっかりはめ込み、「カチッ」と音がすればOK。 - 電源を入れてエラーが消えるか確認する
「交換してください」の表示が消えれば、正常に完了です。
廃トナーボックスの正しい捨て方

使い終わった廃トナーボックスには、まだ微量のトナー粉が残っています。 そのため、捨て方にも注意が必要です。
- 家庭用プリンターの場合:自治体のルールに従い、「不燃ごみ」または「プラスチックごみ」として処分。
- 業務用プリンターの場合:オフィスなどでは産業廃棄物扱いになることがあり、業者回収が必要なケースもあります。
また、メーカーによっては回収リサイクルプログラムを実施しているところもあります。
よくある質問(FAQ)
Q. 廃トナーボックスを洗って再利用してもいい?
A. 基本的にはNGです。内部センサーの構造上、再利用すると粉漏れや誤検知が起きることがあります。
Q. 交換しても「満杯」表示が消えないのはなぜ?
A. ボックスの装着不良やセンサーの汚れが原因のことがあります。一度外して取り付け直すか、柔らかい布でセンサー周辺を軽く拭いてください。
Q. トナー交換のタイミングと同時に変えた方がいい?
A. 同時交換は不要です。廃トナーボックスの残量が十分ある場合は、そのまま使って問題ありません。
Q. 廃トナーボックスはどこで購入できる?
A. 家電量販店やメーカー公式サイト、互換品を扱う通販サイト(インクのチップスなど)で購入可能です。
まとめ
廃トナーボックスは使い終わったトナー粉をためる大切な部品です。 満杯になると印刷が止まるため、交換は必須。放置すると内部汚れや故障の原因になりますので、正しく交換しましょう。
日常的にはあまり意識しない部品ですが、廃トナーボックスはプリンターの寿命や印刷品質に直結する存在です。 エラーが出たら焦らず、この記事を参考に正しく交換・管理して、快適な印刷環境を維持しましょう。
少しでも印刷コストを下げたい方は、インクのチップスの廃トナーボックスがおすすめです。メーカーが製造する純正トナーとサードパーティ製の互換トナーがあるように、廃トナーボックスにも互換メンテナンスボックスが存在します。
インクのチップスでも富士フイルム、NEC、キヤノン、ブラザー用の互換廃トナーボックスを取り扱っております。互換品ということもあり、価格も純正品より安価です。ぜひ、検討してみてくださいね!

