厚紙印刷は、名刺やカード、POP、台紙など、しっかりとした質感や強度が求められる印刷物に使用される印刷方法です。しかし、一般的な家庭用プリンターやオフィスプリンターでは印刷できる厚さに限りがあり、注意が必要です。
この記事では、「厚紙印刷」について基本的な情報から、自宅で印刷できる厚さの目安、トラブル時の対処法、そして印刷できない場合の代替手段まで詳しくご紹介します。厚紙印刷にチャレンジしたい方、仕事や趣味で厚紙を使いたい方はぜひ参考にしてください。
厚紙印刷とは?
厚紙印刷とは、通常のコピー用紙(約0.08mm程度)よりも厚みのある用紙に印刷することを指します。一般的には、0.15mm〜0.4mm程度の用紙が「厚紙」とされ、しっかりとした質感が特徴です。さらに厚い紙(0.5mm以上)は「ボード紙」や「カード紙」と呼ばれることもあります。
厚紙はその特性上、折れにくく丈夫で、高級感が出やすいため、重要な書類や目立たせたい資料などに多く使われます。ただし、厚さゆえにすべてのプリンターで対応できるわけではなく、給紙方式や印刷機構により対応の可否が異なります。
厚紙印刷の主な用途

厚紙印刷は、ビジネスからプライベートまで幅広い場面で利用されています。主な用途は以下のとおりです。
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名刺・ショップカード
しっかりした印象を与えられるため、特にビジネス用途で重宝します。 -
POP・プライスカード
売り場で目を引く販促ツールとして、厚紙は安定感も抜群。 -
案内状・招待状
フォーマルな場面で使用される印刷物は、厚みのある紙で格調高く仕上げるのが一般的です。 -
ハンドメイド作品・台紙
アクセサリーの台紙やギフトタグなど、オリジナリティのある制作物にも適しています。 -
パッケージやラベル
ある程度の強度を保ちたい包装にも厚紙は適しています。
紙の種類と厚み早見表

家庭用プリンターのほとんどはインクジェットプリンターと呼ばれるインクを紙に吹き付けて印刷するプリンターです。
オフィスで使われるレーザープリンターに比べるとトナーの使用量は多いものの、解像度ははるかに高いため、年賀状作成によく利用されます。
年賀状の厚さはだいたい0.2 ~ 0.23mmです。もちろん年賀状は印刷可能なので、少なくとも0.23mmまでの厚さであれば家庭用プリンターでも難無く印刷可能ということが分かります。
印刷可能な厚さの限界はプリンターごとに違いますが、一般的には0.25 ~ 0.30mmくらいが家庭用プリンターの限界と言われています。
紙の種類 | 厚み |
模造紙 | 0.15mm ~ 0.20mm |
電車の切符 | 0.21mm ~ 0.25mm |
表彰状 | 0.26mm ~ 0.30mm |
名刺 | 0.31mm ~ 0.35mm |
封筒 | 0.36mm ~ 0.40mm |
ティッシュの箱 | 0.41mm ~ 0.45mm |
ファイルの表紙 | 0.46mm ~ 0.50mm |
コースター | 00mm |
免許証 | 00mm |
家庭用プリンターで印刷できる厚紙の厚さは?

家庭用プリンターで印刷できる紙の厚さには限界があります。一般的なインクジェットプリンターでは、0.23mm(約220g/㎡)までが対応可能な上限とされることが多いです。ただし、機種によって差があるため、使用中のプリンターの仕様書を確認することが大切です。
また、厚紙対応をうたっているプリンターでも、給紙方法(背面給紙・前面給紙)によっては厚紙が通らないことがあります。特にカーブのきつい前面給紙タイプは、厚紙が詰まりやすい傾向にあります。
自宅のプリンターで印刷できる厚さを確認する方法

厚紙を自宅のプリンターで印刷する前に、以下の方法で対応可能かどうかをチェックしましょう。
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プリンターの取扱説明書を確認する
「用紙の種類」や「対応用紙厚」などの記載があるので、厚さの上限を確認します。g/㎡(グラムパー平方メートル)で表記されることが多く、180g/㎡〜220g/㎡程度までが目安です。 -
メーカーの公式サイトで仕様を確認
説明書が手元にない場合は、プリンターメーカーの公式ページで型番を検索し、「仕様」や「対応用紙」欄を参照しましょう。 -
実際に印刷テストを行う
対応範囲内であっても、印刷品質や紙の通り具合に差が出ることがあります。印刷する前に、まずテスト印刷をしてみるのが安心です。
厚紙を印刷したい場合どうすればいいの?

もし自宅のプリンターで厚紙印刷ができない場合、以下のような方法を検討しましょう。
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厚紙対応のプリンターを導入する
CanonやEPSONなどの一部モデルでは、厚紙印刷に特化した設計のプリンターがあります。特に背面給紙や手差しトレイがある機種は、厚紙の通紙性に優れています。 -
コンビニプリントを利用する
一部のコンビニ(セブンイレブンやローソンなど)でも、マルチコピー機で「はがきサイズ」程度の厚紙印刷が可能です。ただし、厚みや用紙サイズに制限があるため、用途によっては適さないことも。 -
印刷サービスを利用する
大量印刷やプロ品質を求める場合は、キンコーズなどの印刷サービスを利用するのが最も確実です。さまざまな厚さ・質感の用紙に対応しており、店舗でスタッフと相談しながら用紙選びや仕上がり確認もできます。
厚紙が詰まった際の対処法について

厚紙を印刷中に紙詰まりが起こることもあります。以下の手順で、安全に対処しましょう。
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まず電源を切る
内部に手を入れる前に、必ずプリンターの電源をオフにします。 -
詰まった紙を無理に引っ張らない
紙がちぎれると更に取り出しにくくなります。可能であれば、背面やカバーを開けてゆっくりと紙を取り出します。 -
プリンター内部を清掃する
紙粉や汚れが溜まっていると、厚紙が引っかかりやすくなります。定期的にローラーなどの内部をメンテナンスすると安心です。 -
再発防止のための工夫
厚紙は一枚ずつ手差し給紙し、トレイに複数枚まとめて入れないようにすると、紙詰まりのリスクを軽減できます。
まとめ:厚紙印刷は用途とプリンターの相性を見極めるのがポイント
厚紙印刷は、用途や目的によって大きな効果を発揮する一方、対応するプリンターや用紙の選定には注意が必要です。自宅で印刷できる厚さには限りがあり、無理に印刷しようとすると紙詰まりなどのトラブルが起きる可能性も。
印刷する紙の厚さや用途に応じて、自宅印刷・コンビニ印刷・印刷サービスを使い分けることが、トラブルを避けて高品質な仕上がりを得るコツです。特にキンコーズなどの専門サービスを活用すれば、厚紙印刷の自由度もぐっと広がります。