コピー用紙は普段から使っていても、紙の種類やサイズなどはあまり気にしたことがないと思います。今回はコピー用紙について、その種類や特徴、用途による選び方を解説していきます。
用紙のサイズは基本A/B版の2種類
一般的な家庭用プリンターで印刷、コピーできるサイズはA4、A5、B5サイズが多く、コンビニやオフィスで使用されている大型のコピー機だと更にA3、A5、B4、B5までは標準で使用できるようになっています。
A判もB判も「0」の規格サイズを基準に半分に折った回数によって、サイズが小さくなっていきます。詳細のサイズを一覧にしたのが次の表です。
A判用紙 | B判用紙 | ||
---|---|---|---|
A0 | 841mm×1189mm | B0 | 1030mm×1456mm |
A1 | 594mm×841mm | B1 | 728mm×1030mm |
A2 | 420mm×594mm | B2 | 515mm×728mm |
A3 | 297mm×420mm | B3 | 364mm×515mm |
A4 | 210mm×297mm | B4 | 257mm×364mm |
A5 | 148mm×210mm | B5 | 182mm×257mm |
A6 | 105mm×148mm | B6 | 128mm×182mm |
A7 | 74mm×105mm | B7 | 91mm×128mm |
A判サイズの規格
A判サイズの規格は19世紀末に、ドイツの物理学者オズワルドによって提案されました。面積が1平方メートルの「ルート長方形(縦:横)」比率が“1:√2”となっています。それを「A0」とした『国際規格』のことです。世界基準ということもあり、オフィスで使われることが多いのはA判です。ほとんどのビジネス書類はA4サイズだと思います。
B判サイズの規格
B判サイズの規格は江戸時代の公用紙であった美濃紙をもとに、面積が1.5平方メートルの「ルート長方形(縦:横)」比率が“1:√2”となっています。それを「B0」とした『国内規格』(アジア限定の規格)のことです。
B判は、主に日本の学校でプリントや新聞の折り込み広告などに使われています。
用紙のサイズと主な用途
そこで紙のサイズ別で使われている主な用途を表にまとめてみました。
規格 | 主な用途 |
A0(A倍) | 大判ポスター
|
A1(A全) | 新聞見開き ポスター |
A2 | 新聞 |
A3 | メニュー見開き、大判プリント |
A4 | 一般コピー用紙、大学ノート |
A5 | ハードカバー書籍 |
A6 | 文庫本、手書きPOPなど |
A7 | メモ帳、プライスカード規格品 |
規格 | 主な用途 |
B0(B倍) | 大型施設などの大判ポスター |
B1(A全) | 映画館、駅のポスター |
B2 | 路面テナント、キャンペーン用ポスター |
B3 | 中吊り広告 |
B4 | 新聞折り込み |
B5 | 教科書、ノート、雑誌 |
B6 | 手帳、青年コミック本 |
B7 | パスポート |
コピー用紙の厚みは?
紙の厚さは、通常、mmではなく、連量(kg)や坪量(g/m²)で表されます。連量は、原紙1000枚の重さを示し、坪量は1平方メートルの用紙の重さです。
例えば、一般的なコピー用紙の場合、坪量は70~90g/m²で、これは厚さが約0.07~0.09mmに相当します。具体的には、80g/m²のコピー用紙は0.08mm程度の厚さです。紙の厚さが増すと耐久性が向上し、用途に応じた選択が重要です。
例えば、薄い紙は大量印刷に適していますが、厚い紙は文書の保存性や高品質な印刷に向いています。
コピー用紙は種類によって印刷の質が変わる
用紙の種類は、印刷物の仕上がりに大きな影響を与えます。コピー用紙は大きく「非加工紙」と「加工紙」の2つに分かれます。それぞれの特徴などを見ていきましょう。
非加工紙とは
特殊な加工を施さない、パルプだけから生成された紙のことです。普通紙、上質紙、再生紙などがあります。いずれもレーザープリンタ、インクジェットプリンタのどちらでも使用が可能です。
コスパ良し、シェア率の高い「普通紙」
普通紙はPPC(Plain Paper Copier)紙とも呼ばれています。「普通紙複写機」の意味でこの名の通り主にコピー用紙として使用されています。
最も汎用性が高く幅広く活用できる紙ですが、耐水性がないので印刷面がにじんだり紙がよれてしまうことがあります。
印刷がキレイに仕上がる「上質紙」
上質紙は科学パルプ100%の紙のことです。印刷した時に普通紙よりもキレイに印刷でき、筆記適性が高くインクもにじみにくいので、オフセット印刷の雑誌やチラシ、ノートなどに用いられます。
環境に優しいエコな用紙「再生紙」
古新聞や古雑誌などの古紙を特殊な行程でほぐし、繊維状にしたものをすき直して作った用紙です。紙ごみの減少、森林保護の観点から再生紙の使用が増えました。しかし、古紙にはインクなどの不純物が残っているため、再生紙には多少の色がつきがあります。
加工紙とは
光沢紙(コート紙)やマット紙など紙に特殊な加工を加えて、耐久性や光沢または発色を高める効果を加えた紙のことです。高品質な印刷を重視して作られているため、写真やイラストなどの印刷に向いています。
光沢紙(コート紙)
インクジェットプリンターで写真プリントする時に用いる、表面がツルツルとして光沢のある塗工がされた用紙です。その塗工が熱で溶けてしまうのでレーザープリンタには不向きの紙です。
マットコート紙
インクのにじみがおさえられ、光沢のない(つや消し)落ち着いた仕上がりになります。写真や文字をきれいに印刷することができ、写真入りハガキなどにも適しています。
コピー用紙はどこで買える?
コピー用紙は様々な場所で販売しています。
用紙の種類で用途の“重要性”を伝えることができる
最後に紙のサイズや種類、厚みなどで、その用途の持つ意味合いが大きく変わってくるものとして、「履歴書」を例にあげて紹介します。
就職活動をする際、企業のWebサイトから求人にエントリーする方法が多くなってきましたが、まだ紙ベースの履歴書を採用している企業もあります。
パソコンで履歴書を作成する場合、そこで問題となるのは履歴書に使用する用紙の種類、厚さ、サイズです。履歴書は採用に最も大きな影響を与える要素の一歩目ですので、使用する紙にも注意が必要です。
薄い用紙を使用した場合、採用側にあまり良い印象を与えません。なぜなら、一般的に市販されている履歴書の厚みが、人事担当者が最も手にしている厚みと言われているからです。
ですから、パソコンで作成する場合も厚目の紙を使用した方が、良い印象を与えられるでしょう。紙のサイズはA3の二つ折り、もしくはA4で2枚がおすすめです。
最終的に何がいいたいかと言うと、こんなに紙のサイズや厚みに種類がある理由はシチュエーションに合わせて最適な紙を選ぶべきだ、ということです。